KING CRIMSON / In the Court of the Crimson King

Country: UK
Genre: Progressive Rock
Order: 1st Full
Release: 1969
Rate: 92
1. 21st Century Schizoid Man Including Mirrors
2. I Talk to the Wind
3. Epitaph (Including March for No Reason and Tomorrow and Tomorrow)
4. Moonchild (Including the Dream and the Illusion)
5. The Court of the Crimson King (Including The Return of the Fire Witch and the Dance of the Puppets)
(邦題)
1. 21世紀のスキッツォイド・マン(インクルーディング:ミラーズ)
2. 風に語りて
3. エピタフ(墓碑銘):(a)理由なき行進~(b)明日又明日
4. ムーンチャイルド:(a)ドリーム~(b)幻想
5. クリムゾン・キングの迷宮:(a)帰って来た魔女~(b)あやつり人形の踊り
自分がこの作品について書くのは知識が乏しいかと思いますが、批判を覚悟で書いていきます。
このアルバムが発表されたのが1969年。なので自分が生まれる遥か前になりますね。しかし、このアルバムの持つ力といったら……言うべき言葉が見つかりません。全5曲ですが物足りないとは思いません。むしろ凄い充実感が自分の心に表れてくると思います。この5曲の中に人間の感情全てが入っているのかもしれません。その感情が音を奏でているのかも。
それは1 .21st Century Schizoid Man Including Mirrorsから突如始まります。イントロは絶対聞いたことあります。自分も最初「あれ、あのメロディはこの曲だったのか」と思ってしまいました。ジャズの要素を交えながら個性的な旋律が次々に飛び出して、聴いていて別空間に飛ばされるような気がしてきます。ヴォーカルも歪んでいて苦しそうに歌ってます。中でもドラムの破壊力は凄い。何はともあれ必聴。
次の2. I Talk to the Windは同じバンドとは思えないような聴く物を優しく手厚く守ってくれるようなそんな曲。フルートの音色が耳に心地良く、一曲目で混乱された脳が徐々に機能を取り戻していく感じ。
3. Epitaphは最初からドラマチックに展開する曲。太陽が大地を照らすのを諦めたかのようにそこにあり、荒涼とした沙漠の中に廃墟がある情景がまざまざと目の前に浮かんできました。周りはどこを見ても砂だらけ……あるのはただ自分の体と絶望感のみ……
エピタフから続く4. Moonchildには何も概念なんて存在しないようなそんな世界が表現されているように思います。邦題には幻想とありますが、正にその通り。前半は優しいヴォーカルの歌声に酔いしれます。その後ろで奏でられている音色も美しい。ジブリ映画にあるような曲だなー。後半は何の脈絡もない音が淡々と続いていきます。『夢』ですね。そこにあるはずもない幻です。
最後の曲はタイトルトラックである5. The Court of the Crimson Kingはやはり誰でも一回は耳にしたことのあるメロディ。改めて聴くとやっぱイイ。美しいコーラスがすんなりと頭に入ってきて癒されます。ドラムのテクニックもさることながら、ギターやベース、フルートなど各楽器の個性が前面に押し出されています。
ラストはちょっと不協和音が入ってきて怖い感じもしますがw
これだけ多くの楽器を使うのはやはり当時(1969年)としては異質だったんでしょう。しかし今の今までこうして名盤として語り継がれているのはそれだけレベルの高い作品だからだと思います。
ロック史に残る名盤。
21st Century Schizoid Man