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吉澤嘉代子 / 魔女図鑑

魔女図鑑

Country: Japan
Genre: Pop
Order: 1st Mini
Release: 2013

Rate: 92



1. 未成年の主張
2. 化粧落とし
3. 恥ずかしい
4. らりるれりん
5. 泣き虫ジュゴン
6. ぶらんこ乗り





聞いた瞬間にその魅力に惹き込まれる音楽というものは確かに存在するもので、中にはその魅力がどれだけ時間が経っても衰えることのないアルバムというものも存在します。
この「魔女図鑑」に収録されている珠玉の6曲はまさにそのような喩えに相応しい代物で、手触りのいいブックレットやデザインにもインディーズながらにこれから発芽するであろう(あるいはもうしている)瑞々しい才華というものが溢れ出ているように思います。


吉澤嘉代子は、現在はメジャーに行き、今年(2014年)彼女にとっての2ndミニアルバム「変身少女」をリリース、11~12月にかけて東名阪を巡るファーストツアーも企画されるなど業界注目のシンガーソングライターです。
そんな彼女自身の1stミニとなる「魔女図鑑」は、自他ともに認める名盤であり(6月15日に行われた「変身少女」のリリースパーティで彼女自身で発言)、2010年のヤマハ主催のコンテストでグランプリ・オーディエンス賞をダブル受賞した勢いをそのままに閉じ込めた感性の賜物であり、ある意味裏切られたと感じる弱冠20歳という年齢からは想像できないノスタルジックな音楽性が新しい若やかな才能とブレンドされ、それに歌詞の言葉選びに見られるセンスやメロディの強弱の付け方、語尾のしゃくりあげが癖になる歌声が加わり、幅広い層のリスナーを唸らせるほどのクオリティに満ちています。

1. 未成年の主張ではブルージーな昔懐かしいギターサウンドやもの柔らかいコーラスに否が応にも往年の歌謡ポップスを想起してしまいますが、この曲はなんといっても歌詞が独特。現在20代だった人々にはドンピシャだった人気テレビ番組「学校へ行こう!」を思い出すタイトルにかかった、好きという気持ちを伝えたい女の子の心情をストレートに表したような、「あなたが」を繰り返した先に「す、す、す、」とためらう姿にキュン死に。最近のムーブメントであるきゃりーぱみゅぱみゅに代表される"kawaii"文化とは違った"可愛らしさ"があるのが逆に新鮮に映ります。
2. 化粧落としは一転してノスタルジー溢れるアコースティックギターとピアノの音色が映える一曲。Aメロ~Bメロにかけて哀愁を感じさせる歌い回しと色香漂う雰囲気に落ち着いた様子を見せる一方、サビでは一転して力強い歌声でギターをかきならす曲調になりある種のカタルシスが…。"紅(べに)"や"きれいつるりんと"などのフレーズ、「電話が途絶えたのはきっと会う前に餃子を食べたせい それとも恋敵の陰謀かと悩める私立探偵は自惚れ屋」や「毎晩夢に出てこないでと涙ながらにお願いしたらぞっとされた」など独特の物語性も垣間見えるのも中毒性がありますね。ユーミンなどの固有名詞が出てくるのも彼女の音楽にはぴったり。アルバム中でもお気に入りの曲です。

跳ねるような音が使われていてどこかコミカルな印象を受けるものの系譜としては大滝詠一のナイアガラサウンドを彷彿とさせる3. 恥ずかしい、"あなた"からの電話(歌詞中では"ベル"と言っているのが印象的)を待っている女の子を描いた吉澤嘉代子流歌謡曲4. らりるれりんなど、聞いているとタイムスリップしたかのような錯覚を受けるポップスナンバーが満載。特に4. らりるれりんのサビメロは"らりるれりん"の語感のインパクトとメロディが神がかり的な整合性を見せていて、長さ的には1コーラスと短いもののこれだけの言語センスと昭和歌謡のような雰囲気を自らの音楽として昇華させる才能に驚きます。
個人的にピックアップしたいのが5. 泣き虫ジュゴン。収録曲の中では比較的初期に作られたというこの曲は、前4曲に見られた懐かしさを感じるテイストがあまり感じられません。しかし、圧倒的な泣きメロで聞き手をぐいぐい引っ張ります。後ろでぽろぽろと鳴る鍵盤のような音や甘い感触のストリングスが重なり歌詞の内容も彼女の内面を描いているようで曲調のそれとは異なり力強い印象を受けます。
この曲や6. ぶらんこ乗り(この曲も"泣き虫ジュゴン"とは違ったアプローチのバラード。古めかしい雰囲気と稚気に溢れた歌声に彩られた名曲)を聞く度に次世代シンガーソングライターとして底が知れないという思いを改めて感じますし、非常に懐が深いアーティストの片鱗が垣間見えます。

歌詞は全体的に思春期の女の子の妄執的な愛情が表れています。これは妄想が激しかった吉澤自身の思春期に依ったものではありますが、思いをストレートに表現しているというよりは彼女自身の独特の姿勢に寄与するところが大きいようで、物語の主人公的な位置づけにあると思われます。この感覚はメジャーデビュー後も変わっておらず、特にライブでのパフォーマンスに顕著に表れます。(2014年6月15日に行われたワンマンライブの感想[拙ブログ記事])
縁あってデビュー前から彼女のことは知っていてライブも見ていますが、その頃からライブは彼女の魅力がダイレクトに伝わる、まさに真骨頂の場だと思いますね。例えるなら、演劇のような虚構性に彩られた"表現する形"……といった方が適切でしょうか。インタビュー記事を見る限りでは、彼女の表面層がどこまで表れているのかがわからなくなってきますが、それも彼女の特異性を浮き立たせるファクターとなっているのでしょう。ライブは楽しく、しかし彼女自身や楽曲は一筋縄ではいかないところが彼女を近年のシンガーソングライターの中では稀有な存在たらしめている所以であると思います。

<参考>
OTOTOYでのインタビュー。自分と世間、音楽と感情の関係性を斜めに見る彼女の精神性が如実に出ている貴重な記事。
「INTERVIEW : 吉澤嘉代子」
http://ototoy.jp/feature/20130603



未成年の主張





公式HP
http://yoshizawakayoko.com/

Facebook
https://www.facebook.com/yoshizawakayoko

テーマ : J-POP
ジャンル : 音楽

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