SHISHAMO / SHISHAMO

Country: Japan
Genre: Rock
Order: 1st Full
Release: 2013
Rate: 83
1. 僕に彼女ができたんだ
2. 行きたくない
3. あの子のバラード
4. こんな僕そんな君
5. 休日
6. がたんごとん
7. 深夜のラジオ
8. バンドマン
9. サブギターの歌
10. 君との事
11. 恋する
高校卒業を機に本格的にバンド活動を始め、あれよあれよという間にYoutubeでの"僕に彼女ができたんだ"の動画再生回数が200万を超えているという人気がシシャモならぬウナギのぼりのガールズバンドの1stフル。
SCANDALや赤い公園、Silent Siren、がんばれ!Victory、一昔前ならばステレオポニー、中ノ森BAND、ZONEなどといった正統派ガールズロックの流れに沿った真っ当すぎるほどの音楽をやっています。
最初に聞いたときは本当に奇を衒っていない直球ギターサウンドだったのでなんでこんなに世間にウケているんだろう?と首を傾げましたが、おそらく彼女らの背伸びをしていない等身大の歌詞、未成年であることに誇りすら持っているような姿勢、佇まいから感じる未熟さとはうってかわったクオリティが高い曲などが、同世代の女の子を中心に加速度的に知名度を押し上げたのかなぁと思いました。
彼女らが歌う詞は誰しもが経験したことのあるような青春真っ只中の心の揺れが中心ですが、ポジティブな雰囲気がそのサウンドに溢れているため聞いていて気疲れというものがありません。ポップでキャッチーという売り文句は数あれど電子音を使ってもいないしシューゲイズ系でもないのに、こんなにもポップネスに溢れたロックというのもある意味突き抜けていると言ってもいいのではないでしょうか。まぁあまりにも普遍性が強いのでそこにキュートな外面とは裏腹に強かさを感じなくもないのですがね。
宮崎朝子のボーカルもすっと耳に入ってくるような聞こえのいい声質(そして歌詞が聞き取りやすい!)なので、意外にもかき鳴らさんばかりに奏でられるギターさえ耳に馴染みます。リードトラックである1. 僕に彼女ができたんだのウキウキするような楽しげな歌詞はもちろんのこと、アルバムの最後を飾る11. 恋するは作中最も長い6分ほどの楽曲ながら、女の子の男友達から意中の人へと変わっていく心境を歌ったストレートなロックサウンドでヘビロテ必至。歌詞だけではなくサビのメロディにもキュンキュンしてしまう隠れた名曲です。
曲によって質にバラつきがあり、良くも悪くもガールズバンドという空気が見え隠れしてしまっているので、まだまだ成熟していないと見る向きは正直否定できません。そこらへんのバランスをSHISHAMOの良さを出しながら作品全体で維持できるようになればもっとよくなると思います。
最近の邦ロックはそれまで摩訶不思議な音を出して個性を出していたバンド群の流れから一周回ってストレートな楽曲を演奏する、もしくは往年のサウンドに回帰するバンド達がどんどん出てきているという印象が強いので、SHISHAMOが世間に浸透するのも不思議ではないでしょうね。
ちなみに今年このアルバムでベースを弾いていた松本彩が脱退(前々から20歳になったら辞めると言っていた)、新ベーシストとして18歳(加入当時)の松岡彩に交代しました。お披露目PV"量産型彼氏"を見ると中学生くらいに見える……
僕に彼女ができたんだ
前髪揃えないのかなぁ……
公式HP
http://shishamo.biz/
https://twitter.com/SHISHAMO_BAND
Youtube Official Channel
http://www.youtube.com/user/shishamoofficial